列車の時間まで、復元されたコロンブスの船や、ピカソ美術館などを見て歩いた。 ピカソ美術館では、それまで前衛的な絵画しか知らなかったピカソのクロッキーなどが展示してあった。画用紙に何枚も書かれた鉛筆のデッサンには、何かに苦悩する彼の心が滲んでいた気がした。そして、ここには無いが、あのゲルニカと並んで有名なオリーブをくわえた鳩の絵を見たとたん、胸に熱いものが伝わるものを感じ、思わず涙がこぼれそうになった。 絵画に感動したのはこの後プラドで見たグレコのキリストの絵とここの鳩くらいであった。 バルセロナは、それまで、スペイン戦争でフランコ軍とスペイン人民軍にも見捨てられた自由主義者やアナーキスト、国際義勇軍の最後の戦場であった。学生時代に読んだ、ジョージ・オーウェルの「カタロニア賛歌」の私の勝手なイメージがあり、ロマンを感じる町だとばかり思っていたが、少し違った印象を受けた。何か暗い雰囲気の漂う町のように思われた。 (ちなみにこの国際義勇軍の中の犠牲者の中に、唯一の日系アメリカ人の、ジャック・白井という人がいた。「石垣綾子著−オリーブの墓標」=現在は改題されているかもしれません) |
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