明治時代の御城下風景

上は、明治19年 発行 神戸・上田利十郎 による「商工技藝愛媛魁」

の巻頭と宇和島の部のページです。実物は17.5x8cm

和紙、右綴じの小さな一色刷で細部は再現出来ませんでしたが、

江戸時代が終わりを告げてまだ20年も経っていない、

宇和島の町の雰囲気を味わって下さい。サイズの関係で gif jpg

の二つの種類バラバラで取り込んでいます。きれいにとれませんでした。

お断り・最初スキャンの方法がまちまちで、鮮明な画像になりませんでした

そこで、再度取り込み直しましたが、画像を水平にそろえると線が乱れてしまうので

仕方なく取り込んだままの状態にしています。

拡大画像は実物の約1.5倍の大きさですがほとんど gif にしています。

宇和島編


(29KB)
ここには、洋服にマントの人物が描かれて
います。


(30KB)
左右続いたページです。
宇和島本町 「石崎本店」


(23KB)
左後方に宇和島城の天守閣、その他が
描かれています。


(27KB)
味噌醤油製造所「石崎支店」
住所は追手通

このページは空欄です。この辺まで来ると描かれている人物は和服が多く、まだ、髷を結っている人が見られます。

随所に、旧時代と近代が混合する姿が偲ばれます。

このページの下に宇和島町会議員24名の名前を入れました。この本に出ている人がかなりいます。


(30KB)
宇和島監獄署製品売捌所
本町「石崎支店」 サーベルを付けた巡査に
人力車の人が頭を下げているのが左に見えます。


(31KB)
呉服太物洋太物西陣織物帯地類
立新町 末廣又治郎


(37KB)
右 回送物品売捌問屋 竪横町?(ママ)「神越屋」
   神崎 定吉

左 呉服太物洋反物商 袋町 亀安事 三瀬安治郎

このページは空欄です

文字には明らかな間違いらしきものもありますが、原文通りに、旧字体で即見つけられなかったものは、現在表示にしました。
多分当時の紳士録、宣伝本のような物でしょうか発行者はかなり知られた人だそうです。
料金でスペースが決まるのは現在の名刺広告でも同じですが。折り込みの大きなページはかなりの金額がしたと思われます。


(31KB)
諸国御定宿 戎町橋向かい
「戎屋」事 宇都宮林三郎


(9KB)
右から 呉服及び酒造 本町 磯野 朝一

会席御料理 追手通 浪花亭   

諸金物陶器商  三原 喜平 
ここなどはきっと広告代が安かったのでしょう右に比べて、余りにもその差が目立ちます。  


(78KB)
これは折り込みになった大ページです(下も同じ)
別製 三歳醤油 醸造所 並 生蝋製造所
恵比須町 「塩源」事 槇本 源藏


(32KB)
右 古着類卸小売商 

本町 「河内屋」 事 三好千太郎

左 材木商 横新町 船場 巳原 國太郎


(62KB)
宇和島名産樋の口醤油醸造所
竪新町 通名「京徳」事 堀部徳之蒸
 宇和島では有名な堀部さん


(30KB)
中央に小さなおでんやらしい屋台があります。絵で見るとかなり大きな料亭のようです。


(32KB)
会席御料理
恵比須町 「八源」 事 八幡屋 源太郎
左右見開きです。


(30KB)

萬代酢 懐中酢

製造所 袋町見附

「本山 寅一郎」


(24KB)
4軒の広告 右から 堀端通 製造本舗免許薬舗
 「櫻田日進堂」よく見えませんがまことちゃんマークが可愛いです。
横新町 諸問屋並米商「油屋 熊八」(別府温泉の父)
竪新町 大黒屋事「浜竪屋多市」
精酢製造販売所 嫁入小袖 古着仕入所「林 惣市」(嫁入小袖の宣伝が面白いです)


(34KB)
和漢洋薬舗 並 塗物商
山本 助次郎


(32KB)
清酒並醤油醸造所 
横新町 「山口 友吉」


(24KB)
右 篠巻延綿 砂糖 石油種油 売捌問屋
「大洲屋」 事 辛崎徳三郎
中  諸問屋 並 宿屋業 屋眞一
左 清酒醸造所 長瀧嘉三郎
※このころすでに石油があるのには驚き
○は辞書にない文字


(29KB)
呉服太物織物帯地類 並 器械綛(かすり)糸卸小売商
戎町 「中村 英太郎」


奥付ですが現物自体文字がかすれて読みにくいし、他府県のものばかりなので
詳しい文字の表記は割愛します。
主立った物のみ 明治19年10月18日御届
              同年11月30日出版
定価 二十五銭

御届って言うのがすごいですね。明治16年6月9日出版条例が改正され
出版10日以前に内務省に届ける事になったからでしょうか。
ちなみに、この本が出版された年の前後の出来事として。

明治17年 秩父事件  森鴎外、ドイツに留学、               
明治18年 第一次伊藤博文内閣成立 東大の制帽に角帽を採用    
明治19年 米国駐在の陸奥宗光、初めて蝋管蓄音機を持ち帰る     
明治20年 伊藤首相、鹿鳴館で仮装舞踊会を催す(世論西欧化を非難)
と言うような出来事がありました。

宇和島市内ではありませんが、宇和島の項目で松丸駅(現在の松野町松丸)

もあるので載せておきます。市内以外で紹介されているのは松丸だけです。

松丸編


(26KB)


(24KB)
 清酒醸造所 竹葉類造


(29KB)
和洋呉服卸小売 吉田代理店


(25KB)
 紙生蝋燭 水産物取扱所
吉田 精三

 松野町松丸と言えば最近は「おさかな館」

とか、滑床「森の国ホテル」で有名ですが、

昔は、宇和島と土佐とを結ぶ中継点として

賑わっていたようです。


(31KB)
紙 生蝋 並 水陸産物取扱所 山口武七

第一回宇和島町会議員 明治23年1月選挙

牧野楳三郎

榎本和三郎

岩城 泰助

梁瀬専太郎

黒田孝太郎

神森 真市

高畠 秋松

油屋 熊八

橋本 武成

長滝嘉三郎

信崎 忠敬

長山昌三郎

玉置栄次郎

松広源太郎

土居  礼

山崎 惣六

上原  ■

森田 ◎謙

石崎 庄吉

新田 命福

堀部徳之烝

清水 新吉

玉置金次郎

槙本 源蔵

-

順不同   ■はくさかんむり+ム+朋
◎は木カンムリに成ると言う字。

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